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YouTube Kidsってなんだろう

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#本ページは、学研Kidsnet for Parentsの連載『ネット動画とのつきあいかた』の第7回として、2018年11月5日に掲載された記事を再録したものです。(冒頭写真のみ、記事掲載時とは異なります)。 人気のネット動画サービスYouTube。大人向けの動画も出てくるので、安心できないと考える保護者も少なくありません。今回は、そうした保護者のために用意された、子ども専用のYouTubeアプリをご紹介します。 Photo by Adolfo Félix on Unsplash YouTubeの利用は13歳から あまり知られていないことですが、 YouTubeの利用規約では、13歳未満の子どもの利用は認められていません。 児童のプライバシーを守るための米国法への対応が理由で、実は 多くのSNSでも同様のルール です。 ところが現実には、多くの小学生がYouTubeで動画を楽しんでいます。運営会社もこの矛盾を放置し続けるわけにはいかず、子ども向けのYouTubeアプリ「 YouTube Kids 」が開発され、米国では一足早く2015年に提供開始となりました。日本でも2017年に、ポケットモンスターやプリキュアなど、人気の動画を多数そろえた日本向けアプリが公開されました。 さまざまな配慮がされた子ども専用YouTubeアプリ Y ouTube Kidsを利用するためには、まずタブレットやスマホに専用アプリを追加する 必要があります。アプリは無料です。現時点では、ブラウザでの利用はできませんので、パソコンからは見られません。 子どもの視聴が前提となっているアプリなので、YouTube Kidsで見られる動画は、アニメや特撮、ドラマ、スポーツ、バラエティなど、子どもに見せても問題ないと思われるテーマやコンテンツが中心です。一部のユーチューバーの番組や学習コンテンツなども視聴可能です。 アプリで視聴できる動画は、利用する子どもの年齢設定に合わせてプログラムが自動的に選択 します。 YouTube Kidsの操作画面 このほかにも、保護者が期待するようなさまざまな機能が備わっています。 たとえば、保護者が目を離したスキに子どもが自分で勝手に動画を探さないように、

どこから手をつける、長時間利用問題

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#本ページは、学研Kidsnet for Parentsの連載『ネット動画とのつきあいかた』の第5回として、2018年9月28日に掲載された記事を再録したものです。 子どもがネット動画を見ている保護者に共通の悩みに、 「やめられない」「止まらない」 があります。保護者はどうすればよいのでしょうか。 軽く考えると一生後悔する? 長時間利用問題 最新の全国調査※1によれば、 中学生の56.7%が、平日1日あたり2時間以上ネットを利用 しています。 小学校高学年でも、33.4%が2時間以上利用 するなど、 低年齢化 も進んでいます。 Photo by Mpho Mojapelo on Unsplash 小学生の段階から人気が高いネット利用は、 「動画」と「ゲーム」 です。とくに、「動画」の長時間利用に悩む家庭は少なくありません。ネット利用が長くなったとき、 最初に犠牲になるのは睡眠時間 ですから心配も当然です。 睡眠は、健康や発達の大切な基礎です。低年齢の時点での睡眠不足の慢性化は、成長後の睡眠障害などの原因にもなります。 長時間利用は、子どもたちの一生に関わる問題 なのです。 つい長時間になるのはうちの子の意思が弱いから? 動画の視聴がほどよいところでやめられないのは、わが子の意思が弱いからでしょうか。よその子たちは上手に切り上げられているのでしょうか? もちろんそんなことはありません。 ネット動画の多くが、掲載広告と引き換えに無料で楽しめます。運営会社は、より多くの人に、より長く広告を見てもらえるよう、さまざまな工夫をこらします。 たとえば YouTube では、 目あての動画を見終わると必ず、「次の動画」が表示 されます。推薦されるのは、自分自身の好みにぴったり合った動画です。自制心がまだ弱く、好奇心おうせいな子どもたちは、そうした働きかけにあらがえません。運営会社の思惑どおり、次々に動画とそれに付随してくる広告を見ることになります。 まずは「終わりの時間」に集中してみよう どうしたら動画視聴の長時間化に歯止めをかけられるのでしょうか。 家庭での取り組みの第一歩は、ネット利用に使える時間帯を親子でいっしょに計算するところからです。 個人差はあっても、 小学生(6〜12歳)段階

将来はユーチューバーになりたい

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#本ページは、学研Kidsnet for Parentsの連載『ネット動画とのつきあいかた』の第5回として、2018年8月24日に掲載された記事を再録したものです。(冒頭写真のみ、記事掲載時とは異なります)。 小学生の将来なりたい職業として最近おなじみのユーチューバー。大人はどう受けとめれば良いのでしょうか。 Photo by Sam McGhee on Unsplash 人気職業としてのユーチューバー あまり知られていないことですが、YouTubeの利用規約では、13歳未満の子どもの利用は認められていません。児童のプライバシーを守るための米国法への対応が理由で、実は多くのSNSでも同様のルールです。 ところが現実には、多くの小学生がYouTubeで動画を楽しんでいます。運営会社もこの矛盾を放置し続けるわけにはいかず、子ども向けのYouTubeアプリ「YouTube Kids」が開発され、米国では一足早く2015年に提供開始となりました。日本でも2017年に、ポケットモンスターやプリキュアなど、人気の動画を多数そろえた日本向けアプリが公開されました。 ユーチューバーは子どもの良いお手本か わたしたち保護者にとって、子どもが将来の職業としてユーチューバーに憧れても、素直に応援しようという気持ちになるのは難しいところがあります。 収入のしくみがよくわからないうえ、安定した職業にはみえないからです。 実際、ユーチューバーが、CMのように「好きなことで、生きていく」のは、やさしいことではないのです。広告収入の分配割合はサイトの運営元に一方的に決められ、いつ広告単価を切り下げられるかわかりません。英語圏と比べると、日本語を解する視聴者の数が圧倒的に少ないのも再生回数のうえでは不利だと考えられます。 一方、 短い時間で他者になにかを伝えるという点で、人気ユーチューバーに学べることは少なくありません。 北米の幼稚園・小学校などで行なわれている Show & Tell という授業について聞いたことはありますか? 自宅にある好きなおもちゃなどを教室に持ち込み、クラスメイトに「なぜ、どう好きなのか」などを説明し、質問に答えるという、プレゼンテーションの基礎訓練のようなものです。ユーチューバー動画は、その究極の形だ