小学生はYouTubeでいったいなにを見ているのか

#本ページは、学研Kidsnet for Parentsの連載『ネット動画とのつきあいかた』の第2回として、2018年5月25日に掲載された記事を再録したものです。

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子どもたちはYouTubeが大好き。でも子どもたちが好んで見ている動画は、わたしたち大人のそれとはちょっと違うようです。

ある小学校の5年生全員に聞いてみると

小学生から高校生までのインターネット利用のなかでも、動画視聴がとくに人気なのは、前回記事で紹介したとおりです。ところが、子どもたちがどのような動画を好んで見ているのかについて、公的な調査結果は見あたりません。

とはいえ、わたしたち保護者の立場からしてみれば、「ほかの子はYouTubeでなにを見ているのか」はおおいに気になるところ。そこで今回は、わたしが講師として今年2月に訪問した、ある公立小学校の5年生全員に聞いてみた結果を紹介します。※

その学年での人気動画の第1位は「ゲーム実況」。6割を超える児童が「よく見る」と答えました。

ゲーム実況動画とはその名のとおり、実際にゲームをプレイする一連の流れを収録した動画のことです。おもな素材は進行中のゲームの画面ですが、音声で面白おかしく実況中継したり、テンポよく編集したりすることで投稿主側はうでを競っています。

ゲーム実況に人気が集まる理由は、ゲーム自体の人気に加え、いわゆる攻略本代わりの情報源になることが考えられます。ゲームが上手な友だちのプレイを見せてもらうかのように、見るだけという楽しみ方や、これから遊ぶゲーム選びの参考にすることもできます。

YouTubeで「ゲーム実況」と検索してみると、人気動画がたくさん見つかります。実際に何本か見てみると、人気のひみつがわかるかもしれません。

テレビとは違うネット動画の魅力

質問「あなたがYouTubeでよく見るのはどんな動画ですか?(いくつでも)」への回答

2018年2月筆者調べ 調査対象は小学校5年生の男女57人

第2位は「ユーチューバーの番組」(50.9%)です。さすが、小学生男子のなりたい職業の上位に位置するだけのことはあります。

続く第3位には「やってみた、ネタ、面白い動画」(49.1%)が入りました。これは第6位の「歌ってみた・踊ってみた動画」(35.1%)と同様、動画投稿主が自らの体験や表現をドキュメント仕立てに短くまとめた動画です。

ここまでで共通していることに気づきましたか? そう、みんな「自分でなにかしている」動画ですね。

このような動画に人気が集まることの背景には、学校での学びの変化があるのではないかとわたしは思います。学習指導要領が大きく変わり、小学校の授業でも「自分のことばで説明する、発表する」場面がとても多くなっています。ただお行儀よく先生の話を聞いているだけではなく、積極的に意見を言う、クラスメイトの意見を発展させることが求められます。

そうした経験の積み重ねが、自分で身体を動かし、演じ、それをだれかに見てもらいたいという気持ちを強くもつ子どもが増えている背景にあるのかもしれません。

そして自分の得意なもの、好きなものであれば、ゲームをプレイしているようすであっても、表現する価値があると考え、それが投稿主への共感となって視聴につながっているのではないでしょうか。

もちろん「歌手やアイドルグループのMV(ミュージックビデオ)」(45.6%)や「アニメ」(43.9%)のように、その道のプロが作った作品の動画視聴も根強い人気があります。しかし、この小学校の5年生を見る限りは、子どもたちはネット動画に、いつも受け身にならざるを得ないテレビ番組とは違う、自分に身近で、自由に参加できる場、多くの人から反響をもらえる場として、親近感と魅力とを強く感じているのではないでしょうか。

次回は、ネット動画の魅力と注意点を親子で考えるきっかけとして、「ネット動画とテレビの似ているところ、違うところ」について、もう少し深く考えてみましょう。

※調査は質問用紙の配布回収方式で実施しました。