GIGAスクール構想以前と以後で「子どものネット問題」の何が変わったのでしょう

 


降って湧いたような「GIGAスクール構想」で、日本の小中学生に1人1台のコンピュータ(iPadやChromebook)が配られました。イロイロと課題もあるものの、大きな前進です。

もちろん、算数や国語などの授業にインターネットやコンピュータをどう活用していくのかも大切ですが、長らく大人を悩ませてきた「子どものネット問題」にはどんな影響があるのでしょうか。


悪影響は限定的

学校で配られたコンピュータの多くは、子どもたちがふだん使っているスマートフォンと比べて、非力かつ不自由であり、魅力が無いため、たとえ学校から家庭に持ち帰ったとしても、その影響は小さい、子どもたちは見向きもしないと指摘する声があります。

わが家の子どもたち(中学生と小学生)も、学校の課題に取り組む時以外は、自分のパソコンやスマートフォン、ゲーム機を使っています。

アカウント(ID)管理などが適切に行われてさえいれば、学校のコンピュータが新たなトラブルの直接的な引き金になる可能性は低いと感じています。


学校への期待が高まる

「子どものネット問題」に関して、これまで学校にできることは、主にリスクの列挙と注意喚起でした。安全のため、利用を抑制するような働きかけ、子どもたちの良心への訴えかけをすることで、学校外での問題の予防に努める…くらいしか、現実的な選択肢がなかったとも言えるでしょう。

しかし、1人1台のコンピュータとアカウント(ID)が配布され、授業はもちろん、さまざまな連絡用途などに使われるようになったことで、学校に期待される役割は大きく変わりました。

これからの学校には、ネットを安全に使える、事故を起こさないというレベルにとどまらず、活用に必要な知識や技能を子どもたちに習得させることが期待されます。

たとえば、情報を集め、取捨選択することや、効果的に書く、伝えることは、われわれ大人世代のネット利用をみていても、はなはだ心もとない水準です。つまり、漫然と利用を続けるだけでは不十分だということです。

知識や技能の習得には、家庭でも取り組むことが可能です。しかし、子どもの学齢・発達段階に合わせた提示や、子ども同士が協同して学ぶといったことができるのは、学校をおいて他にありません。

また家庭では娯楽、消費のためのネット利用経験を積むことは簡単ですが、パブリックな利用場面を作ることは案外難しく、その点でも学校に期待がかかります。

学習課題や対外発表などにコンピュータやインターネットを利用することで、社会が求める活用力の、基礎的な経験を積んでいくことができるのです。


オンラインセミナーでお話する機会をいただきました

こうした話題について、信越情報通信懇談会・総務省信越総合通信局主催のオンラインセミナーでお話をする機会をいただきました。

残念ながら参加申込の受付期間は過ぎてしまっていますが、主催者ウェブサイトから、当日の講演資料データ(PDF)をダウンロードすることは可能です。

ご興味ある方はぜひご覧ください。


  • 情報通信利用環境オンラインセミナー 〜GIGAスクール構想の実現と教育の情報化の展望〜
  • 2021年10月26日14時〜16時(Zoomウェビナー)
  • 講演1:「教育の情報化」の進捗と課題(信州大学 東原 義訓 名誉教授)
  • 講演2:GIGAスクール時代の「ネット問題」の捉え方(ミヤノモリラボラトリー 高橋大洋)

https://www.shinetsu-icc.jp


##11月9日追記

当日の講演の様子が動画公開されましたのでお知らせします。

上記ページから“講演の様子をYouTubeに公開しました”のリンクをたどるか、以下をご利用くださいませ。

https://www.youtube.com/watch?v=CFu6Q8o-PGo


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