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徳島県の青少年育成フォーラムに登壇します

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  徳島県さまより、貴重なリアル登壇の機会をいただきました。 第48回青少年育成フォーラム「防ごう!少年非行」県民総ぐるみ運動推進大会 https://awawa.app/pages/article_detail.php?report_no=9178&app_no=51&tab_no=0 主唱:徳島県青少年対策本部(徳島県・徳島県教育委員会・徳島県警察本部) https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/seishonenikusei/ibentokoza https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/seishonenikusei/7306041/ 日時:2025年8月1日(金)14時〜16時 会場:とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)大会議室| オンライン参加も可能 わたくしからは、ネット利用トラブルを減らすための、大人そして子どもたち自身のリテラシー向上に焦点を合わせたお話をさせていただく予定です。 この手のイベントの来場者は、えてして“お仕事”として参加される方が中心になりがちですが、さて、今回はどんな感じになるでしょうか。 当事者(小中高校生とその保護者)にも会場参加してもらえると嬉しいですね。

子どものネット利用支援――「意図と方法のズレ」を埋めるとは

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本記事は、 こども家庭庁ウェブサイト に昨日掲載された 講演動画「【高橋大洋氏】講演動画(なぜ子どものネット利用がうまくいかないのか?支援者が知るべき三つのズレ)」 の補足としてまとめたものです。 あの動画は10分という持ち時間の中で、子どものネット利用をめぐる「三つのズレ」をネットセーフティ支援者向けに論点整理することを主眼にしたものでした。その反面、具体的にどんな働きかけが望ましいのか、十分に踏み込めなかった点が心残りでもありました。 そこで今回、現場の企画担当者や講師の皆さんに向けて、動画中の「意図と方法のズレ」についてもう少しだけ具体的なご提案をしてみたいと思います。 技術的手段だけでは届かない現実 子どものネット利用支援では、保護者の「守りたい」という気持ちと、子どもの期待、そして実際に推奨される行動との間に大きなギャップが生じがちです。 講演の中で私はこれを「意図と方法のズレ」と呼びましたが、実際に、それぞれの家庭でどのようにこのズレを埋めればよいのか、また保護者向けにどのように伝えるのが効果的なのかについては、私自身も模索を続けているところです。 もちろん、ペアレンタルコントロールや時間制限といった技術的な手段、そしてその前段として必要なルールづくりは、保護者向けアクション提案の中で大切な選択肢の一つです。ただ、「それはもう試したがうまくいかない」「そもそもネット利用について子どもと話をすること自体が難しい」という声を多く耳にします。 そもそも技術的な手段だけでは子どもの行動を変えることは難しく、行動の背景に目を向ける視点が不可欠ですし、睡眠とか遊びのような「ネット利用以外への介入(支援)」こそ保護者が本当に力を発揮できるところだと考えます。そうした趣旨の話を保護者にしてみると、「ネットのことは自信ないけど、それならできる」「目からウロコだった」などと、反応も良いのです。 会話は「次につなげるヒントを拾う」だけで十分 でも、ネット利用そのものについて、保護者が全く関わらないというのも難しい。少なくともどんなことに夢中なのか把握しておきたいところです。ところがここはそれほど容易ではありません。 たとえば、子どもがどんなゲームやアプリを使っているのかを尋ねる場面。「いま、どんなゲーム(アプリ)が面白いの?」と聞いても、おそらく親子の会話は弾みません。特に小...

「スマホばかり見せてていいのかな」と思ったときに、まず試したい3つのこと

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いまどきの保護者の悩みは深い NHKが「スマホ育児」の現状について報じています。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250627/k10014845511000.html この記事では、0歳から小学校低学年の子どもをもつ家庭のメディア利用実態が紹介され、同調査を担当されたベネッセ教育総合研究所の高岡純子さんも「まずは家庭内でルールを決めることが大切」と語っていました。 とても真っ当な指摘です。 ただし、子育て中の保護者当事者ほど、「そうは言ってもね……」と感じる指摘かもしれません。 実際、記事中でも「息子ぐらいの年齢の子どもは自制がききません」という保護者の率直な声が紹介されていました。ルールを決めたら素直に従う、自分でブレーキをかけられる発達段階ではないわけですから、当然ですね。 なにか「ルールづくり」の他にもできる工夫はないでしょうか。 小さいお子さんのネット利用は、圧倒的にネット動画の視聴です。そこで試してみていただきたいことはたとえば以下の三つです。 1.スマホではなく、テレビの大画面で見せる ネット動画を見せるのをやめましょう、ではありません。 スマホではなく、リビングのテレビで見せる方が、専門家が懸念している子どもへの悪影響がグッと減ると考えられます。 方法はいろいろあります。ネット動画が見られるテレビ(スマートテレビ/コネクテッドテレビ)をお持ちのご家庭では、それを優先させてください。Fire TV StickやApple TVをお持ちの方は、ぜひそちらをご利用ください。 今回のベネッセさんの調査結果でも、回答者の44%がスマートテレビを、38%がFire TV Stickなど(ネット動画をテレビに投影するための機器)をお持ちという結果でしたので、ハードルは案外低いと思います。 ウチにはどちらも無いよという方は、2,000〜3,000円前後で「スマホとテレビをつなぐHDMIアダプタ/ケーブル」※ を購入することで、カンタンに、スマホの画面をテレビに投影できるようになるはずです。 テレビの大きな画面で見せることで、「子どもが何を見ているか」が遠くからでもわかるようになります。あとで親子の話題にもできるようになりますし、視聴の途中で動画の内容について、なにかお子さんと会話できることもあるかもしれません。 そして、テレビで...

こども家庭庁へのオンライン動画掲載ふたたび

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昨年度お世話になった こども家庭庁さんのオンラインイベント「青少年の被害・非行防止対策リモート講演会・座談会」に、今年度も呼んでいただきまして、先日、収録等を終えたところです。 近日中に こども家庭庁さんのウェブサイト に一式まとめて掲載されるはずです。 公開となりましたら、あらためてご報告するようにいたします。拙い語りではありますが、ご覧いただければ幸いです。

こども家庭庁のオンライン座談会動画から発言箇所を文字起こし

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前回の記事 に続き、同じくこども家庭庁の令和6年度の取り組みから、オンライン座談会での発言部分(4テーマのうち、3つ目と4つ目について)を文字起こししたものです。 座談会の司会進行は玉田和恵先生(江戸川大学・教育工学)でした。 実際に保護者啓発をなさっている中で、どのようなことに悩まれているのか、また保護者啓発による成果がなかなか見られない現状があるようにも思われますが、その原因はどこにあるとお感じになっているか、お聞かせいただけませんでしょうか。 今ご紹介いただいた通り、保護者向けの研修や講演にこれまで多数関わってまいりました。私自身も、高校生と中学生の子どもが1人ずついる保護者として、当事者でもあります。そうした視点からお話ししたいと思います。 保護者は状況を把握している まず確認しておきたいのは、実際には多くの保護者が、インターネットの利活用が求められる時代であることを理解しています。 リスクについても、テレビやネットニュースなどで日常的に目にする機会が多く、例えば「闇バイト」のような新しいキーワードに対しては、新鮮な怖さを感じておられる方も少なくないと思います。 PTAなどが主催する保護者向け研修会では、外部講師が事件や事故の具体例を挙げて「怖さ」を伝え、その後に「家庭でルールを作りましょう」「フィルタリングを使いましょう」といった制限的対応を勧める——これがよくあるパターンです。 保護者が直面しているのは具体的な行動の難しさ 保護者としては頭では納得せざるを得ません。しかし、実際に家に帰って、目の前の子どもに対して制限的な介入を試みようとすると、うまくいかないことが多いのが現実です。 中には、苦しさを抱えながらも、制限的な行動を貫く「気真面目」な保護者もいます。 子どもが小さいうちはそれでもなんとか対応できますが、小学校高学年くらいになると、親子で正面衝突し、次第に続かなくなってしまいます。 一方、いわゆる「普通の保護者」はお手上げ状態になりがちです。 子どもは言うことを聞かない。でも、喧嘩ばかりしたいわけではない。 一度買ってあげたスマホやゲーム機を取り上げることもできず、心配を抱えながら「運を天に任せる」ような状態になる方が、とても多いのではないでしょうか。 ごく一部には、スマホやアプリに詳しく、制限設定なども苦にならず、子どもと同じゲームを一緒に遊べ...

こども家庭庁ウェブサイト講演動画の内容を文字起こししてみました

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こども家庭庁が例年「青少年の非行・被害防止全国強調月間」を展開し、この数年は「青少年の非行・被害防止対策リモート講演会・座談会」をウェブサイトに掲載していることについては、 以前にこの記事でご紹介した通り です。 令和6年度分について、不肖わたくしめもオンライン登壇 させていただきました。 こちら、年度も替わり、そろそろ動画公開期間も終わる頃合いかなということで、全文の文字起こしを行ってみましたので、以下に掲載いたします。 本日時点では、元ネタの動画は以下URLにあります。 https://www.cfa.go.jp/policies/youth-kankyou/hikouhigai-gekkan/cfa-r6 https://www.youtube.com/watch?v=U_SZ4F7rkEo イントロダクション 皆さんこんにちは。一般社団法人セーファーインターネット協会事務局の高橋大洋です。 私からは、「利活用に向けて子どものインターネット利用を保護者が支えられるようになるために必要なこと」についてお話しします。 子どものインターネット利用が話題になると、さまざまな方が「保護者が子どものネット利用を支えるべき」と理想論を語ります。 しかし、実際にそれをうまくできている家庭は多くありません。なぜでしょうか。 保護者の学びの機会の見直しを 私は、保護者の学びの機会を見直す必要があると考えています。 多くの保護者は子どもを大切に思っています。早くからネットを使わせる保護者は批判されがちですが、これからの時代、ネット利用が重要なスキルになると感じているからこそ与えているのかもしれません。 にもかかわらず、トラブル予防の取り組みがなかなか進まないのはなぜでしょうか。 「技術的な設定は自分には無理」「子どもが言うことを聞かないので諦めた」などという本音もよく聞かれます。 これまでの保護者向け教育や啓発では、「ネット利用の危険性を知らせること」や「フィルタリングを使うこと」といった呼びかけには熱心でした。 しかし、家庭での具体的な取り組み方、保護者が本当に必要としている情報はあまり示されてこなかったのではないでしょうか。 今やネット活用は子どもだけでなく保護者にも求められています。 インターネットは日常生活のコストダウンやスピードアップに役立ちますし、偽情報に惑わされない力...

札幌市の“家庭教育ナビ”に講座動画を公開いただきました

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札幌市には 家庭教育のための情報ポータルサイト“さっぽろ家庭教育ナビ” があります。 運営は 市教育委員会の生涯学習推進課 さんです。 「お片付け」から食育、コミュニケーション、学習支援から金銭教育まで、このサイトで取り扱われているテーマはかなり幅広いわけですが、このたび、「子どものネット利用について」のコンテンツとして、小職出演の講座動画が追加されましたのでご報告です。 追加された講座動画は一本あたり10分程度で、計三本です。 「〜小学校低学年」「〜小学校高学年」「〜中学生」というお子さんの年齢ごとに、それぞれ中心的な話題(悩みごと、困りごと)を選んで、保護者の取り組みのヒントをご紹介しています。 短い時間ですので、本当にエッセンス程度ではありますが、何かしらお役に立てるところがあれば幸いです。 動画は こちらからご覧ください 。 直接、YouTube上でも閲覧可能です。 「未就学〜低学年編」 「小学校中学年〜高学年編」 「小学校高学年〜中学生編」