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[講演報告]新しい切り口のインターネットと人権について、長崎県 新上五島町でお話をしてきました

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新上五島町役場のウェブサイト から転載  いままさに世の中は 人権週間(12/4-10) 。たくさんの地域で人権啓発関連イベントが開かれているようですね。 そんな中、不肖わたくしめにも、「インターネットと人権」講師のお鉢が回ってきまして、本日「 インターネットのしくみと人権〜分断の時代をどう生きるか〜 」という演題で講演をさせていただきました。 本番直前は何度経験してもドキドキします 会場は、札幌から1,500キロメートル彼方に位置する、 長崎県 南松浦郡 新上五島町 です。長崎市には伺ったことがありましたが、五島列島上陸は生まれて初めての経験となりました。 冬場とは思えない美しい海を見ることができました インターネットに絡めた人権講演といえば、最近では誹謗中傷に絡むものが多いのかなと思います。でも今回は、かなり手前のところから説き起こすような組み立てとしてみました。 具体的にはこんな四段構成です。 ネットに限らず 「誰か悪い人が人権侵害をしている」というとらえ方ではなく、わたしたちの誰にでもその根っこはあるんだというところをもう一度思い出してもらう ことに焦点を合わせたつもりです。 参加者のみなさんの反応も、まずまず前向き、自分ごと感のあるものだったかなと思っています。また、主催者の町役場のみなさんには、準備の段階からイベント閉会後の時間帯まで、大変お世話になりました。地域の魅力をいろいろな角度で感じることができました。 今回、新作コンテンツでしたので、仕上げはまだ多少粗削りなものだったかもしれませんが、ふつうのインターネット人権講演とは違うちょっと違う切り口、目新しい講師を求めておられる主催者の方、ぜひお声がけください。

[イベント報告]秋田県鹿角市で子どものメディア利用について講演を行いました

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  提供:鹿角市教育委員会生涯学習課 様 11/21-22の2日間、秋田県の北東端に位置する、鹿角(かづの)市にお邪魔してきました。 現地では、「青少年育成鹿角市民会議 青少年を育てる市民のつどい 兼 かづのPTA連合会 PTA活動を考える会」での講演を担当いたしました。その名の通り、健全育成関係者だけでなく、お子さん連れの保護者の方にも直接お話を聴いていただけたのは、ありがたかったです。 前回ご案内の通り 、わたくしにとって今回のイベントは「自分が出したお題の答え合わせ」ともなる、保護者にどう伝えるかの場でありました。 また、具体的なテーマについての行動変容がゴールとなる「研修会」とは違い、「気づきを持ち帰ってもらう」ことが重要な「講演会」という枠組みでもありましたので、いつもと似たようなテーマではありましたが、ひとひねりした組み立てで臨んだわけです。 幸い、来場者からは とても分かりやすく、日常において私たちができることを考えさせられた。 SNS・インターネット問題の今がよくわかった。 子どもたちに他のおもしろさを体験させられるよう、大人の意識を変えていかなければならないと感じた。 現在3人の子育て中の為、とても勉強になった。 大人も困っている。大人も巻き込まれがちな犯罪を避けられるようなお話と思った。 のように好意的なコメント(共有いただいたアンケート結果から表現を修正)を複数いただくことができました。 なんとか及第点はいただけそうです。 今回、主催者、そして秋田県内の関係の方々にはさまざまなご配慮をいただき、とても充実した出張となりました。 今後も、こうした場を通じて、一人でも多くの方に「子どものメディア利用」について考えていただきたいと思っています。

デジタル時代の20年、大人もきちんと前に進んでいる

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  写真提供:新潟県こども家庭課 様 先日お知らせした通り 、11/15、新潟県の青少年健全育成県民大会にて、講演を担当しました。 わたくしからは こどもたちを取り巻く環境の変化 こどもたちのデジタル利用と大人の関わり方 われわれ大人に今日からできること という構成でお話をさせていただきました。 みなさんに熱心に聴いていただき、ありがとうございました。 またアンケートにも 「今までのネット利用の話と違い、こどものネット利用の影響を別の面からお話しいただき大変ためになりました。子どもは今も昔も変わっていないものだと思いました。」 「デジタル時代にも大人ができることはあるというお話をお聞きし少し安心しました。」 などの感想を書いていただけましたので、おおむね、ポイントはうまく伝わったのかなと思っているところです。 今回の講演冒頭(写真)では、「子どものネット利用」の振り返りをしました。演題にもある「デジタル時代」というのは、「常時ネット接続されている機器を利用者がいつも携帯するようになった」くらいの意味合いです。2005年頃が携帯電話のパケット定額制の普及した年ですので、ここがデジタル時代の始まりということになりますね。 ただし、2005年当時の大人の反応は「ケータイは子どもにとって百害あって一利なし」、そして対応は「持たせるのはなるべく遅く」「持たせるならフィルタリングを」というものでした。 それから20年が経過し、大人もずいぶんと「子どものネット利用」についての理解の解像度が上がってきていると感じます。「デバイスを持つ前提で、大人に何ができるのか」という具合です。 今回の新潟県の大会では、わたくしの講演の前に、新潟県内の地域取り組みについて、二つの実践事例発表がありました。その中で、いずれも強調されていたのは「子どもが主役」「ネット以外の毎日の充実の大切さ」「大人が自ら変わるのが先」という内容。 大人もきちんと前に進んでいるんだと感じる機会となりました。貴重な場に呼んでいただき本当にありがとうございました。 微力ではありますが、これからもそうした大人のみなさんに向けた情報の提供や、さまざまな支援に取り組んでいきたいと考えております。 追記) 新潟県様のウェブサイトに開催報告記事が公開されました のでご案内します。わたくしのものも含めて、配布資料PDFのダウン...

子どものネット利用について、いま保護者に伝えたいこと

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  去る9月末に、 秋田県の生涯学習センターで、家庭教育支援指導者等研修の講師を担当 しました。 この研修は、保護者当事者ではなく、支援者向け。わたくしなどよりずっと経験をお持ちの家庭教育支援チームや県内市町村職員の方々に向けて「子どものネット利用は新しい発達課題です」「保護者はこうやって支えるべきです」みたいなことを、壇上から自信たっぷりにしゃべったり、ワークに取り組んでいただいたわけです。 そんな、自分が出したお題への答え合わせとも言えそうなのが、まもなく開催されるイベント「 青少年育成鹿角市民会議 青少年を育てる市民のつどい 兼 かづのPTA連合会 PTA活動を考える会 」での講演です。 開催:2025年11月22日土曜日13時半〜15時半 会場:鹿角市文化の杜交流館コモッセ講堂 演題:子どものスマホ・ゲームとの向き合い方〜大人が知るべきこと・できること〜 秋田県鹿角市は、いまから12年前(2013年)に、子どもたちのインターネット利用について考える研究会と秋田県教育委員会生涯学習課さんとの 協働事業の皮切りになった場所 でもあります。その後、何年もかけて、秋田県内ほぼ全市町村にお邪魔することになったわけで、かなり懐かしいですね。 さて今回の講演は、子育て当事者に焦点を合わせたものですので、 子どもを取り巻く環境の変化〜デジタル以前よりも発達課題の難度が上がっている〜 子どものデジタル利用と大人の取り組み〜なぜうまくいかないのか、どうすべきなのか〜 保護者のよくある悩みと対応のヒント〜発達段階ごとに特に大事にしたいポイント〜 という組み立てを準備してみました。 質疑応答を含め、わたくしの持ち時間は60分です。自分の提案をキチンと形にできるのか、いまからドキドキです。 どなたでも参加可能なイベントです。秋田県内のみなさま、ぜひ会場でお会いしましょう!

子どもに生成AIを使わせるなんてとんでもない?

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ChatGPTの衝撃のデビュー(一般公開)からまもなく3年。気づけば『そこに生成系AIがあるのが当たり前』の世の中になってしまいました。 もはや生成系って言い方も、いささか古めかしく感じるくらいですよね。最近だと対話型AIの方がしっくり来ますかね。 ともあれ大人にも、つきあい方がまだまだ難しいAI。 新しいもの、面白いものが大好きな子どもたちには、どう与える(または与えない)べきなのでしょうか。 現時点で気になることを、ベネッセこども基金さまサイト上のコラム記事にまとめてみました。もちろん不安を列挙するだけでなく、前向きなとらえ方のヒントも示してみましたので、お時間ある時にぜひご一読ください。 「勉強、悩み相談から遊び相手まで…こどもが生成系AIと『賢くつきあう』ため保護者ができること」 ちなみに上記記事の入稿後にもたくさん動きがありました。 IT media「 ChatGPTがWebブラウザに「ChatGPT Atlas」、米OpenAIが発表 」(2025年10月22日) 窓の杜「 AIを統合した「Microsoft Edge」の新しいモード「Copilotモード」がパワーアップ 」(2025年10月24日) 日経新聞「 ChatGPT、120万人の利用者が自殺に言及 OpenAIは安全対策急ぐ 」(2025年11月5日) IT media「 Geminiの「Deep Research」、GmailとGoogleドライブにも接続可能に 」(2025年11月6日) などなど。 まだ当分、AIとのつきあい方を考え続ける必要がありそうです。

“街頭指導” が難しくなった時代に地域の大人にできること

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今年度は、6月からこども家庭庁のオンライン動画で「 子どものネット利用について、支援者が知るべきズレ 」のお話をしているほか、8月には 徳島県の 青少年育成フォーラム にも登壇したところですが、このたび、 新潟県の青少年健全育成県民大会 にもお邪魔することになりました。新潟県内で青少年健全育成に関わる方々が集まる、歴史のあるイベントとお聞きしております。 本イベントの主題となる、いわゆる青少年健全育成活動には、スポーツ・文化などの体験や交流活動の側面だけでなく、各種トラブル、特に犯罪被害(加害)から青少年を遠ざけよう・守ろうという側面が含まれます。 ただしインターネットの普及以降、子どもたちが遭遇するトラブルの様子は大きく変わっています。よく知られている性暴力被害やいじめ、詐欺などに加え、闇バイトと呼ばれる犯罪加害に巻き込まれる類型も問題視されています。これらのトラブルでは、対面(リアル)ではなく、非対面(バーチャル)がきっかけになっているというのがポイントですね。 結果的に、 “街頭指導” とも呼ばれる青少年健全育成の取り組みの一部が、大きく変質している地域が多いと聞きます。深夜の繁華街に出かけても、見守るべき子どもが “そこに居ない” というわけです。 新潟県のみなさんも、同様の状況に悩まれているのかもしれません。 今回の講演で、わたくしからはデジタル前提で生きている子どもたちの “当たり前感” や、デジタルに不慣れなわれわれ大人にできることなど、いくつかの話題提供をする予定です。 そして午前開催の県民大会のあと、同日午後にもう一つ健全育成に関わる会議があり、そちらにも参加させていただくことになっております。関係のみなさんとご一緒できることを楽しみにしています。 当日の気づきなどは、こちらでもできる範囲でご報告したいと考えています。

【動画公開】子どものネット・ゲームがわからない大人のためのワンポイントアドバイス

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  先日ご報告 の通り、福井工業大学などのイベント Another Morning Festival 2025 にて、15分間のショートプレゼンを担当しました。 主催者側でも近日中に、見逃し視聴用の動画が公開されることになっているとお聞きしておりますが、当方での先行公開をお許しいただきましたので、早速ご案内させていただきます。 日本語字幕もついていますので、音なしでの視聴や、倍速視聴も可能かと思います。 お時間ある方は、 関連するnote記事 もあわせてご覧いただけますと幸いです。